改元で平成登録の車は安くなる?

改元は車売却に影響するか

2019年5月1日に改元が行われ、時代が平成から令和に変わりました。
そこで気になるのが平成に初度登録された車の価値です。
車の年式は和暦で表記されることが多く、平成登録の車は令和登録より価値が低くなる懸念があります。

前回の改元が行われた31年前は、私も車業界に就職する前だったので事情を理解していないですし、平成初期は車買取業者が普及していなかった時代です。
ただでさえ未来の車の価値は不透明なことに加え、平成初期と令和初期では時代が大きく変わっているので前例のない問題です。
私の個人的な見解では、改元が行われたのが5月だったこともあり、平成末期と令和初期の中古車で大きなギャップは生じないと予想しています。

影響が出るのは最短でも3年後

中古車相場の経年数による変化は、メーカー保証が切れる3年・5年および3回目の車検を迎える7年、節目にあたる10年、自動車税と重量税が高くなる13年です。
平成の車が古いと判断されるのは早くても3年後ですが、流通している中古車の半数以上は4年落ち以降なので3年経過で平成登録の車が極端に安くなることはないでしょう。
10年以上経過すれば、平成は古いイメージが浸透するかもしれないですが、10年落ちになれば平凡な乗用車の大半は価値がほぼなくなります。

平成31年式と令和元年式で大きな差が出るのは考えにくい

仮に改元が1月1日に行われていたら、平成登録と令和登録で中古買取価格にギャップが生じていたかもしれません。
実際には5月1日に改元されたので、平成31年式と令和元年式は同じ2019年式と表現することもできます。
高額査定を期待できる3年落ちや5年落ちの段階では、まだ平成が古い時代のイメージが少なく、改元以降にモデルチェンジした車種を除いて極端に価値が下がることはないと見ています。
もし、平成31年式の中古車が安くなるのであれば、そこを狙って購入する需要も出てくるでしょう。
平成31年4月26日登録と令和元年5月7日登録(改元時は10連休)で差が生じないのであれば、平成末期登録が全般的に低評価を受ける可能性は低いです。

平成の名車と評価される車種は?

平成の名車を紹介

平成だった頃に昭和の名車と称される車種が出てきたのは、平成10年以降です。
改元フィーバーで平成の名車を特集するメディアが多数出ていますが、中古市場でプレミアムが付くのはもう少し時間が経過してからでしょう。
昭和の名車として注目されるようになったのは全体のごく一部なので、平成の時代に人気を集めた車の大半は名車と呼ばれることなく価値を下げ続けていくでしょう。
私が予想する平成の名車として今後プレミアムが高まっていく車種は以下の通りです。

・日産 スカイラインGT-R(R32・R33・R34)
・三菱 ランサーエボリューションシリーズ
・ユーノス ロードスター(NA・NB)
・メルセデスベンツ C63AMG
・スバル サンバー/ディアス(自社生産のRR車)
・マツダ RX-7/8

ほかにも、FR車だったエルグランド、ヒンジドアだったオデッセイ、歴史的なヒットを遂げたセルシオなどが、平成を象徴する車種です。
しかし、FRミニバンとして惜しまれつつ生産終了したトヨタのグランビア(グランドハイエース)が人気を落とした事例もあるように、古くなって維持費がネックになる車種は中古市場の評価が低くなりやすいです。
維持費が高くても、乗り味に魅力があるスポーツカーやクーペと、現行モデルに比べて実用性が高い車種だけがプレミアムの付く旧車に変化していくでしょう。

平成登録でも売却を急ぐ必要はない

事例は少ないと思いますが、この先数年で「平成登録の車は早めに売った方が有利です」とセールストークする買取業者や販売店の営業マンが現れるでしょう。
しかし、元号を理由にした売り時のアドバイスは99%が嘘です。
いずれは令和になってから買うべきだったと後悔する人が出てくるかもしれませんが、中古市場での評価に大きな差は出ない見込みなので深く考えすぎないでください。