赤字覚悟の車買取は成り立つのか?

車買取業者は、状況に応じて赤字になるような高額査定を付ける事もあります。
損失を出す可能性があっても個人から車を買う理由は台数をこなしていけばトータルで見て儲かるからです。
赤字覚悟の高額査定をしても、最終的には利益が出るカラクリを見ていきましょう。

査定額算出の仕組み

買取査定額の算出イメージ

車査定をするときは、まず業者用オークションの相場情報を参考にします。
業者用オークションは精度が高く赤字にならない価格を簡単に算出できます。

しかし、それでも業者によって買取価格に差が出るのは業者側の利益が違うからです。車買取業者が査定時に想定する利益は次のものがあります。

赤字覚悟<業者用オークションと同等<微益<平均的な水準<ボッタクリの詐欺価格

ボッタクリの詐欺価格と赤字覚悟の限界価格を比べると100万円の価値がある車でも30万円以上の差が出る場合があります。
平均的な水準と比べても、業者選びや交渉をしっかり行えば15万円以上高く売れる見込みがあります。

赤字覚悟でも買取する理由

赤字覚悟での買取で大幅な利益がでる例

車買取で赤字覚悟の高額査定をするのは次の理由があります。

・台数をこなしていれば爆益車に当たる
・付随する利益で赤字をカバーできる

それぞれ詳しく解説します。

大化けする爆益車になる事がある

買取した車は、査定時に参考した業者用オークション相場である程度の想定利益を算出しています。
基本的には最低限、推測通りの価格で売れます。

しかし一部では想定を大きく超える爆益車に当たるケースがあるのです。
爆益車になるケースは次のものがあります。

1. オークションで、その車がどうしてもほしい会社が2社以上現れて相場以上に競り上がった。
2. 買取した車を見たお客さんが、小売価格で買ってくれた。在庫期間や販売促進費用も一切かからなかった。
3. 試しに一般的な小売価格より高値で店頭販売してみたら、予想に反して買い手が現れた。

1のオークションでの大化けは、台数をこなしていけば必ず当たります。
業者用オークションは最低限の落札相場は安定していますが、その日にその車をどうしても買いたいという業者が2社以上いれば、普段以上の高値が付く事も珍しくありません。

2の仕入れた車を見て購入希望者が現れるケースですが、これも中古車業界ではよくあります。
近所の人は買取業者が仕入れた直後の車なら安く買えると思い込んでいる方もいますし、スタッフのお客や紹介などで「この車探していた」という話に発展する事もあります。

3の高値での販売成功は、自社による店頭販売で再販している業者が該当します。
中古車販売業者は仕入れた車をまずは高値で店頭に並べてみて、売れなかったら価格を下げていく方法を取る事があります。

どの方法にも共通しているのは買取台数をこなさなければ爆益車に当たる事も少なくなります。
買取台数が多ければ、そのうちの何台かが微妙に赤字でも爆益車の利益でカバーして、トータルで業者が儲かる仕組みになっています。

付随した利益で儲けられる

買取した車と再販した車の車両価格だけで見れば赤字でも、その他の付随した利益があれば総合的に見て黒字化を見込める場合があります。
付随した利益の一例を紹介します。

自動車税、リサイクル費用などの諸経費

車買取業者は自動車税やリサイクル費用を買取価格に含めていることが多いです。
本来は車両価格とは別に返金義務があるものですが、業者が自社の利益にしてしまっています。
仮に業者用オークションに出品した場合でも落札代金とは別に自動車税とリサイクル費用を請求できる仕組みになっています。

部品を別に売って儲ける

社外パーツやナビ・ETC・スタッドレスなど車とは別に売れるものがあれば、車両本体と部品で分けて売っている場合があります。

自社販売すれば、整備費用や諸費用が取れる

滅多にある事ではありませんが、買取価格よりエンドユーザーへの小売価格の方が安かった場合でも、自社販売であれば整備費用や登録手数料などの諸費用の利益があるので、業者は利益を確保できます。

思いがけない相談・仕事依頼

車買取を専門でやっていても、買取を通じてお客様と信頼関係が構築できると、車の様々な相談を受けるようになります。
販売や保険・ローン・車検・板金などの依頼や相談を頂く事で、様々な付随した利益が発生します。

全てに共通して言える事

付随利益は様々なものがありますが、全てに共通するのは、買取台数をこなしていけば美味しい話や付随する利益が増えていきます。
そのため、買取業者は車両本体価格だけで見て赤字が明確であっても、その他の利益を期待して買取する場合があるのです。

赤字覚悟の特別条件はタイミングも重要

買取業者が赤字覚悟の特別条件を出すには、次の2つの条件があります。

1.買取台数で勝負している大手優良業者であること
2.赤字覚悟の価格で勝負できるタイミング

特別条件を多数出している実績がある業者でも、常に全てのお客に対して赤字覚悟の価格を提示しているわけではありません。
特別条件を出すケースは、買取台数が落ちて、とりあえず数字を出したい時があれば、好調で利益が出ているから勝負する余裕がある場合など様々な理由があります。

また、複数店舗展開している大手は、店長やスタッフが変わると対応も変わる場合があります。
仮に、口コミ等で高額査定を出した実績がある業者に相談しても、あなたが車を売るタイミングで特別条件を出してくれるとは限りません。

車買取業者が特別条件を出すには業者の実績や評判だけではなくタイミングも重要です。
一括査定をはじめ、安定した買取台数を確保している大手や特定の車種の専門店を利用して、赤字覚悟の特別条件を出してくれる優良業者を探してみるとよいでしょう。

元社員目線でお奨めする車査定サイト一覧