高額売却の第一歩は営業マンの見極め

タブレットを使いながら買取価格を説明する業者

車買取業者を利用する場合、店頭・出張を問わず最初に対応してくれたスタッフが担当者になり、最後まで価格交渉の窓口になるのが通常です。
この話は車を売るだけではなく、新車や中古車を業者から買う時も共通しています。
これから車の売買をする方はコラムの内容を参考にして間違った価値観を持っていないか確認してみましょう。

車査定や商談を行う担当営業マンが信頼できそうなベテランスタッフで、名刺には課長など役職が書かれている人が出てきた場合と、若くて頼りがいがなさそうな新人が出てきた場合ではどう感じるでしょうか?

ベテラン営業マンが出てくると有益な価格交渉ができそうと期待する反面、新人が出てくると”これはダメだ…”と諦めてしまう方がいれば大きな間違いです。

特に複数店舗ある大規模車買取業者の場合は、ベテランが出てきたら警戒しないといけませんし、新人が出てきたときはチャンスだと思いましょう。

ベテラン営業マンの話術に注意

車業界の営業職は、優れた話術が必要不可欠で、力のない営業マンはすぐに辞めてしまう入れ替わりが激しい業界です。
そんな車業界で役職が付き、貫禄がでるほど長く勤務している営業マンは超一流です。

家電量販店の安い商材を扱う販売員や既存顧客中心のルートセールスマンに比べても圧倒的なトークスキルを身につけていることでしょう。

話術に長けているベテラン営業マン

優秀な営業マンは、業者側の利益が大きくなる安い査定額を、あたかも好条件のように見せかけて商談をまとめることを得意にしています。
よく役職者やベテランは特別な値引きや買取査定の上乗せ枠を持っているという噂がありますがガセ情報です。

仮にあなたが新車ディーラーや車買取専門店に新人営業マンとして入社したと想像してみてください。
車の知識やトーク術を身につけていない新人がベテランの先輩営業マンよりも悪い条件で商談をまとめて仕事を取ってこいって言われても無理ですよね?

また、特別枠を持っている先輩や役職者がどれだけ成約件数が伸びても、新人や後輩から見れば、条件が違うのだから仕事を取って当たり前だと思ってモチベーションが上がらず、若手が成長しなくなるでしょう。

車買取業者は、ベテランよりも未熟な新人の方が赤字の可能性も高い特別条件を上司が認めやすいです。
新人や若手には、条件勝負でもいいから仕事をたくさん取って経験を積ませようとします。

ベテラン営業マンでも特別条件は可能

自分で言うのは恥ずかしいですが、私が車買取業者に勤務していたときはベテランでもあり、グループ全体で常にトップクラスの成績を挙げていました。

そうなると会社からも信頼されて、ある程度は裁量で条件を出せるようになります。

ベテランになって、上司や本部から信頼されるようになると「このお客は、本当に良い条件を出さないと逃げられる客だから条件を出した」と報告すると、こいつが言うのだから本当なのだろうと思われます。
事後相談で特別条件を通すには、普段はしっかり利益率が高い仕事を獲得していることが条件です。
ベテラン営業マンが特別条件を椀飯振舞して薄利の案件を増やすと、上司や本部はもちろん後輩や同僚からの信頼も失ってしまいます。

つまり、条件交渉を頑張れば相手がベテラン営業マンや新人を問わず限界価格を引き出すことは可能ですが、ベテランは話術が長けているので簡単に騙されてしまいます。

新人営業マンの場合はリアクションがわかりやすく、簡単な交渉や駆け引きで特別条件を引き出すことがより容易と言えるのです。

特別条件を引き出す裏技

新人営業マンが担当だった時に、もっとも楽でスムーズな商談術は以下の手順です。

1.新人営業マンの名刺をもらう
2.条件が出せないなら他に相談するといったスタンスを取る
3.他社である程度条件を詰めたら、最後に電話交渉

ここでポイントになるのは、新人営業マンを相手にしたら、その場で商談をまとめようとせず「条件が合わない」とか「他社の話を聞かないと決められない」などと理由を付けてすぐに帰ることです。
ベテラン営業マンの場合、帰ろうとすると言葉巧みに引き止めてきますが、新人営業マンは帰ろうとするお客を引き止める術を持っていません。
名刺だけもらって帰ったら、最終的に電話等で他社の限界価格を伝えた上で、もっと高ければすぐに売却を決めるけど、希望条件に応じられるのか聞いてみます。

ベテラン営業マンの場合だと、ロクに商談をしてないお客から、後日電話がかかってきて赤字になるかもしれないような希望条件を言われてもプライドが邪魔をしてすぐに断ってきます。

新人営業マンであれば、成約件数を稼ぐために、全力で話に乗っかってきてくれますし、上司や本部も新人が取ってきた案件なら商談過程に中身がなくても特別条件で買取してしまおうと考えてくれます。

最初から無茶な条件を提示するのではなく、他社から相場を引き出して最後に新人営業マンがいる業者に相談するのがポイントです。

新人営業マンが狙い目