査定スタッフの仕事って大変?

車査定のイメージ画

車業界は華がありますし、好きなことを仕事にしたいという理由で興味を持つ人も多い職業です。
人の入れ替わりも激しい業界で求人もたくさんあります。
これから車買取店の査定スタッフ(営業職)をしようと検討している人に向けて、元買取専門店スタッフが仕事内容や業界の裏側を紹介します。

買取専門店は車業界の中でも比較的仕事は楽

車買取を行っている業者は大きく分けて次のタイプに分類されます。

・買取専門店
・買取&販売のみ
・買取、販売、整備を扱う大型店(ディーラーや中古車チェーンなど)

この中でもっともキツイのは整備も扱う業者です。
納車・引き取りを希望する顧客も多く、日中に納引きばかりやっていると怒られるため、納車・引き取り希望の顧客に対しては出勤前に引き取りして通常業務が終わってから納車して直帰という流れになります。
当然、仕事の拘束時間が長くなるため、毎日寝不足という話もよく聞きます。

販売も行っている所は規模によって販売と買取で分担制にしているケースもありますが、大半は両方を兼務します。
車は店頭で売って終了にはならず、まずは契約して印鑑証明の受け取りや車庫証明を出して、成約から2~4週間ほどで納車の流れになります。
やることが多いので雑務も増えますし、日中に雑務ばかりやると怒られるので、夜に残業で事務処理を行い、休日出勤で車庫証明を出すといったケースも増えてきます。

車買取専門店であれば、整備や販売とは違い、商談成立すれば必要書類を受け取り、車を引き取りしてお金を払うだけなので業務量自体は多くないです。
登録抹消や名義変更は専属スタッフがまとめて行うので、営業活動に専念できて、買取台数だけで見れば専門店じゃないとできないような数字を出せます。

反響営業中心

20年ほど前は、やることがないときは車の停まっている家のピンポンを押して「車を査定させてください」なんて訪問販売をする業者もありましたが、今は時代も変わって飛び込みの営業をやっているところはほとんどありません。
あっても新人研修の度胸試し程度で、原始的な方法では仕事は取れません。
店頭やインターネットを使った反響営業中心で、商談の数自体は新人でも確保できますし、弱い業者でなければ入社1ヶ月目でも成約を取れる可能性は高いです。
商談力のある人であれば、どんどん来た客の査定をするだけなので、仕事自体は楽に感じます。
最終的に成約させることだけではなく、即決を取るなど少ない時間でどんどん成約させて次の仕事へ向かうことが大切です。
買取専門店であれば大半のケースで歩合給があるので、やればやるほど儲かります。

1日の流れ

査定スタッフの一日

勤務先の規模や立場によっても違いますが、私のいたところの一日の流れを紹介します。

勤務時間:10時~19時
9時00分:出勤、オフィスや商談スペースの清掃、事務処理など
9時45分:ミーティング
10時~:店頭待機or出張査定および電話応対
19時00分:事務所に戻る
19時~:電話営業(回答待ちの方への確認など)
20時00分:帰宅

毎日やることは臨機応変で変わります。
アポイントの時間によっては、外回りで長い休憩時間を取れることもあります。
できる営業マンであれば、アポを詰め込んでスピーディーに商談をクロージングし、アポに遅れる時は事前電話調整などでうまく調整して休みなく働いています。
運転や人と話をすることが中心なので、モチベーションさえ高ければ時間が過ぎるのは早く、仕事さえ取れていれば苦痛に感じることもありません
業者によっては置き場に車を動かしたり、他の人の取った仕事の引き取りで足車要因として動くなど雑務も色々あります。

私が辞めた理由と査定スタッフの大変なところ

仕事で悩む男性

私の現役時代は不動のトップセールスマンとして結果を出していました。
営業職なので、数字さえ出していれば自由にできますし、仕事を取れないと精神的に追い詰められる仕事です。
当然、退職者の大半は数字を残せない査定スタッフです。
私の場合は、他から良い縁の話をもらっていたことが退職した一番の理由ですが、仕事的にも大変で長く続けると最初は我慢できると思っていたことでも、しんどいと感じることも増えてきていました。
心の底で退職願望もあったから、他で良い話のあった時に車業界に残る選択を取らなかったのでしょう。

車買取店の査定スタッフで大変なところは以下のものがあります。

・休みを自由に取れない(土日祝日は基本的に出勤)
・勤務時間が長い(仕事終わったあとの夜間に出張対応を希望する客も多く、基本的に何時でも断らない)
・常に電話が鳴りっぱなし
・数字が全ての世界で、結果を出さないと追い込みをかけられる
・結果を出せばノルマも増える
・ネット集客が中心になってから変な顧客の対応が増えている(絶対に売る気のない興味本位の査定、クレーマー体質など)
・会社の利益が分かってくると、受け取れる給料が安くてバカらしくなる

私の場合は一番大変だったのは電話応対です。
買取専門店ということもあってお客に携帯番号を教える機会は少ないのですが、長くやっていると同業者との付き合いが増えてディーラーの営業マンなど提携業者から買取相談や客の紹介をもらえるようになります。
数字を安定させるためには必要なことなのですが、休日も電話応対ばかりして休んだ気がしなくなってしまいます。
土日や繁忙期は勤務中に時間が空いたら電話しないといけないタスクを複数抱えていて、常に頭をフル回転している状態です。
退職理由は人それぞれですが、仕事を取れないと生き残れないシビアな業界ですし、仕事が増えると辛いことが増えてくる面もあります。

勤務先の管理体制や上司次第という部分もありますが、仕事自体はやりがいもありますし、車好きだと車種を覚える手間も少なく1人前に成長する時間が短いです。
実力主義で仕事を取れば稼げますし、若くても店長など管理職への道も用意されています。
楽な仕事ではないですが、営業に自信のある方や自分を試してみたい人にはオススメの業界で、買取専門店なら車業界の中では業務量の少ないメリットがあります。