はじめに

今回のコラムは2020年1月下旬に作成したものです。
現在はコロナショックの影響で業者用オークション相場が荒れていますが、転売屋のノウハウや暴露内容はコロナ禍前の情報であることをご理解ください。
最新の業者用オークション動向については、前回のコラムで紹介しています。

中古車オークション転売は可能!?

中古車オークションで転売を考える男性

車業界には一般人お断りの業者用オークションが存在していることは多くの方がご存じだと思います。
業者用オークションの概要についてはコチラのページで詳しく紹介しています。

今回の記事は業者用オークションで車を落札し、そのままの状態で出品をする転売手法で利益が出る仕組みを解説いたします。
簡単に結論をまとめると業者用オークションで転売目的の落札・出品を繰り返している輩はたくさんいます。
しかし、一昔前に比べて中古車オークションの転売で利益を出す難易度が高くなりました。

このコラムの目的はオークション転売を推奨するものではありません。
車の売却や買取業者の利用を検討している方に向けて、業者用オークションを活用する買取業者でも強い所と悪い所がある点を理解して頂くために、車業界の裏側を暴露しました。

オークション転売の種類

中古車オークションの転売は以下3つの手法があります。

①落札したオークション会場でそのまま再出品する
②落札した会場とは違う業者用オークションへ出品する
③業者用オークションで落札してヤフオクへ出品する

ヤフオク転売については、個人が買い手になるケースが大半を占めるので一般的な中古車販売に近い形になります。
一昔前は②の違うオークション会場への転売が流行していましたが、現在は①の同じオークション会場でそのまま再出品する方式が主流です。

転売の損益分岐点

オークション転売で利益を出すには、オークションの落札・出品にかかる費用を差し引いて落札価格よりも高く売る必要があります。
業者用オークションを利用する際にかかる費用は以下のものがあります。

必ずかかる費用

落札手数料
出品手数料
※各8,000~15,000円程度、オークション会場・出品カテゴリーによって変動

転売すれば戻ってくる費用

月割り自動車税
リサイクル預託金相当額
※排気量、年式、装備、落札月によって変動

状況に応じて発生する費用

輸送費用
名義変更費用(車庫証明・変更続き時の印紙代・代書屋費用など)

業者用オークションの会員になる費用

保証金(10万円程度・退会時に戻ってくる)
ネットシステム利用料(月1万円前後、会場会員のみは不要)

最低限かかる費用はオークション会場への落札・出品費用のみで、1回の出品で転売した場合は1.6~3万円の手数料を超える利益が出れば損益分岐点を上回ります。
ナンバーが付いている車は、一定期間以内に名義変更もしくは抹消登録をする必要がありますが、条件によっては名義変更しないまま出品して転売することも可能です。

他のオークション会場で転売する場合は輸送手段に応じて陸送料が発生するため、損益分岐点を超えるための利幅が大幅に高くなってしまいます。
オークション転売する人は、希望落札価格で売れずに出品を繰り返す手数料と、転売の長期化による月割り自動車税の負担、輸送費、名義変更費の負担が大きく、一定割合で赤字を出しているものです。
当然、思っていた値段で売れずに長期在庫リスクを回避するために落札価格よりも安く売り切って大きな損失が発生することもあります。

このように中古車オークションの転売は諸費用が高額なことに加え、車は在庫を抱える期間が長いほど相場落ちのリスクがあるので、ブランド品などのフリマアプリ転売より難易度が高いです。

会場によって落札相場が違う

一昔前に流行した転売ビジネスとして、中小規模のオークション会場で落札して国内最大手のUSSで売る方法があります。
業者用オークションは全国に多数の運営団体があり、会場によって落札相場が違うため、安い会場で買って高い会場で売れば輸送費を差し引いても利益が出る仕組みです。
関東地方では2010年頃までJU埼玉で買ってUSS東京会場で転売する手法が流行していました。

オークション会場の種類と特徴の詳しい説明は一部割愛しますが、USSは会員になる審査が厳しくてアイオーク(ネット専用のオークション落札代行サービス)に対応していないことから、数あるオークション会場の中でも落札価格が高いです。
JUは落札相場が低めになっていることに加え、名義変更の期日が翌月末(最大で2ヶ月弱の猶予)と長めに設定されていることが転売で人気になった要因です。

しかし、次第に転売ビジネスをする個人や小規模車業者が増え、極端に安い相場は転売屋同士で値段を競り上げるようになっていきました。
現在もUSSが他のオークション会場より落札相場が高い傾向に変わりはありませんが、各種手数料と輸送費を考慮すると転売で手堅く利益を出せるほどの違いはありません。
一部では現在も違うオークション会場への転売を繰り返している方がいますが、一昔前よりも難易度が高まり転売屋の数は激減しています。

なお、業者用オークションの転売はUSSへの転売以外にも事故車や稀に出品される車以外(バイクや重機)を買って専門性が高いアライオークションへ出品するなど複数の手法があります。
ただし、どの手法も転売する難易度が上がっているのは同じで、真似する人が続出するビジネスモデルではなくなりました。

中古車オークションと現金
オークション会場の対応

業者用オークションの会場(運営)は、オークションへの転売に対して寛大な所が多く、落札した車両を期限までに搬出しなかった場合、自動的に再出品扱いになるルールを用意しています。
つまり、同じオークション会場で転売する目的なら、落札して代金を入金後、何もせずに放置すれば面倒な手続きなしで簡単に落札車両を出品できる仕組みです。

ただし、何も手続きをしないと売り切り出品になってしまい、転売時の出品で売れ残りが続いた場合は期日までに名義変更をしないといけません。
名義変更の期日遅延を起こすとペナルティとして罰金や名変預託金没収のペナルティを受けるルールがあります。
名義変更期限はオークション会場によって異なり、一度搬出した場合と搬出せずに再出品した場合で期日が変わることもあります。

業者用オークションは複数の買い手が現れて競り上がることがあり、出品車両の車種・年式ごとに落札相場の下限と上限があります。
転売屋は下限で落札して上限で売ることで利益を出している仕組みですが、紹介している通り時間が経過するほど諸費用が膨らんで相場落ちするリスクが高まります。
同じオークション会場で転売をしている業者は、単純なオークション転売だけではなく、相場の下限で落札した際は提携業者や顧客への案内を行い、直売・業販と併用しながらオークション転売をしていることが多いです。

ヤフオク転売は可能?

業者用オークション相場はヤフオクの落札相場(個人が出品した現状販売車)より高いです。
業者用オークションは落札後の受け渡し手続きが簡単で、信頼性が高い検査による状態の適正評価で付加価値をつけています。

つまり、業者用オークションで車を仕入れてヤフオクで売る場合は、業者の買い手を期待できないため、個人のエンドユーザーを狙った販売をすることが必須です。
個人の買い手は、ヤフオクより多少高くても信頼性とアフターサポートを重視して綺麗な店舗を持った販売店から中古車を買います。

そのため、ヤフオク転売は店頭販売で売れやすい条件の中古車ではなく、事故修復車や過走行車、程度の悪い外車など店頭では扱っていない中古車を扱うケースが多いです。
簡単にまとめると業者用オークションで仕入れてヤフオク転売する場合は、大手販売店が扱わないニッチなジャンルを狙うのがセオリーです。
ヤフオクで車を買おうとする需要がある中古車を見極め、魅力的な紹介文を用意しないとヤフオク転売ビジネスでは利益を出せません。

おわりに

中古車の転売方法を考える

中古車の業者用オークションでは一部で転売ビジネスをしているケースがありますが、難易度が高くて一昔前よりも転売屋の数が減っています。
今回のコラムの目的は転売ビジネスのノウハウを教えることではありません。

これから車を売ろうとしている人へ向け、業者用オークションの落札相場には一定の幅があることを理解して頂くことを目的に、中古車業界の裏事情を暴露しました。
転売屋がいることで業者用オークションの落札相場が底上げされている一方で、転売屋がいることから分かるように買取業者が業者用オークションで車を高く売るにはコツがいります。

在庫を持たずにオークション出品を行っている買取専門店でも、オークションで高く売るノウハウがあれば買取車両の直販に強い所より高価買取することが可能です。
車を売る業者選びは、直販に強い大手のみに絞り込むのではなく、買取専門店をはじめ幅広い規模の業者。および様々な転売手段を持っている業者を比較するようにしてください。

ちなみに、業者用オークションで中古車を出品している業者は、数をこなすことによって落札価格の変動幅と出品手数料が膨らむ損失リスクを軽減しています。
個人が業者用オークション代行で売る方法もありますが、代行業者への手数料が負担になるほか、1台のみの出品だと博打の要素が大きいです。
結果的に安く売り切って転売屋の食い物にされ、手数料を考慮すれば買取してもらった方がお得だったケースも多数見られます。

もちろん、相場の上限で落札されて買取店では不可能な値段で売れることもありますが、業者用オークション代行を利用するなら相応のリスクを背負う覚悟を持っておいてください。
業者用オークション代行業者は、手間とクレーム回避を目的に落札相場の下限付近で売り切るように誘導することが多いので注意しましょう。