2020年代の主役はHVカー!?

電気自動車のクイックチャージエリア

時が過ぎ去るのも早いもので、2020年代に突入しました。
2010年代の車業界の動向を簡単に振り返ると、プリウスの歴史的な大ヒットから始まり、EVやクリーンディーゼル、e-Power、水素など幅広いパワートレインが登場しています。

数年ほど前までは「2020年代にはEV車が主流になる」と言われていたこともありましたが、街中を走る車を見ると、大半がガソリン車かハイブリッドカーです。
2010年代に登場した車の成功事例・失敗事例を見る限り、2020年代も主役はハイブリッドカーで決まりではないでしょうか?

そして現行モデルや今年投入される新型のHV車は、既に成熟されているように感じます。
ちょっと前までは、新車でガソリン車やHV車を買っても数年後には時代遅れになる懸念を抱く要素がありましたが、今から新型のHV車を買えば、5年後・10年後も需要が高い車として高価売却を期待できるでしょう。
2020年に買う車としてハイブリッドカーをおすすめする理由と、2010年代に登場した次世代カーが普及しなかった理由について紹介します。

EV車が主役になる話はどうなったの?

電気自動車を充電する

中国やアイルランドなど一部の国と地域は2030年までに全ての車をEV車にする計画を打ち出しています。
国内メーカーを見てもホンダが2030年を目処に3分の2の車を電動化する計画を出すなど、未だにEV普及に向けた動きは衰えていません。

しかし、当サイトの見解としては少なくても国内で個人向け乗用車の大半がEV車になる可能性は低いとみています。(HVが標準になる可能性はある)
なぜなら、数年前までは2020年代前半にはEV車が大きなシェアを占めると予想されていた所、現時点では普及率が伸び悩んでいる状況にあるからです。

日産のリーフなど一部でEV車が普及しているものの、遠出や通勤など幅広いシーンでマルチに使うには問題が多いのが現状。
一時期EV車のトップメーカーとして君臨していた三菱もすっかり勢いが衰えてしまいました。

最新モデルの動向を見ると、トヨタが小型モビリティのEV車を投入すると発表していますが、他メーカーを見ても限られた用途向けのモデルを開発する事例が目立ちます。
ホンダからも着脱式のEV車を投入する予定が出ていますが、リーフのバッテリー重量が約300kgということを考えると、どれだけ小型化をしたとしても個人向けに着脱式バッテリーが主流になるとは考えられません。
決まったルートを走るトラックの場合は、物流拠点でフォークリフトを使ってバッテリーを着脱するなどして、EVトラックの需要が高まっていくかもしれません。

このように、まだまだ問題点が多いことや、個人向けのEV車はコンパクトカーに限定している様子を見る限り、この先10年でEV車がトップシェアを獲得する可能性は低いでしょう。
小型モビリティや商用車では、EVのシェアが少しずつ拡大していくかもしれません。

他のパワートレインはどう?

現行ラインナップを見ても、水素エンジンを搭載した燃料電池車(FC車)やクリーンディーゼル、次世代ガソリンエンジン(マツダ・SKYACTIV-X)、e-Powerなど幅広いパワートレインがあります。
いずれも一定のシェアを確保していが、ここ数年の売れ行きやオーナーからの評価・評判を見る限り、ハイブリッドカーに代わって主役になれる存在ではないとみています。
紹介した次世代パワートレインとして注目された車の特徴と市場からの評価をまとめました。

EV車

前項で紹介している通り、乗用車タイプのEV車は伸び悩んでいて、リーフに続く車種として注目度の高い新型車情報がありません。
一部のジャンルでシェアを伸ばしますが、充電に時間を要する問題から、通勤や遠出などアクティブに車を乗る人でもストレスフリーで乗れるようになるには、当面の時間がかかりそうです。
この先はバッテリーの小型化や出力向上、低価格化が進んでいく見込みなので、将来性の高いパワートレインだと評価しています。

e-Power

プリウスやアクアを抜いて年間販売台数トップを記録した日産ノートの成功事例で分かるように、2010年代後半にもっとも成功したパワートレインがe-Powerです。
e-Powerはガソリンエンジンを搭載しますが、エンジンは発電のみで使用し、駆動はモーターの力で行うものです。
小排気量でも高いトルクを確保し、ガソリン車と同様にガソリンスタンドで燃料を給油するだけで走れる利便性を持っています。

しかし、e-Power搭載車が大ヒットしている一方で、日産以外のメーカーは開発に着手する動きが見られません。
実はe-Powerは時速100km前後で巡航する高速走行に弱く、通常のガソリンエンジン車とは違って高速走行すると燃費が悪くなってしまう欠点を持っています。
日本の道路とは相性が良いですが、大きなマーケットになる欧米の道路との相性が悪く、海外では売れにくいことを理由に他メーカーは開発を見送っているようです。
著者の予想では、e-Powerも最終的には、エンジンの力で駆動と発電を同時に行うHV車に近い改良や進化が行われていくと見ています。

クリーンディーゼル

クリーンディーゼルエンジンは国産・外車ともにシェアを伸ばしていて、国内ではマツダのSKYACTIV-Dが大きな注目を集めました。
走行性能は高く評価されていて、コンパクトカーのデミオをはじめ幅広い車種に導入していますが、登場当初の勢いは失っているように感じます。
SUVのCXシリーズなどでは高いシェアを確保しているものの、デミオ、先代のアクセラでは売れ行きが伸び悩んでいます。

クリーンディーゼルエンジンは車両価格が高くなる割に、燃費性能は排ガス規制を回避するための「DPF再生(エンジンを高温にしてススを燃やす)」の影響で実燃費が落ちやすいです。
そのため、エコなエンジンを求めている方よりも、ディーゼルターボによる高い走行性能を重視する方から選ばれています。
クリーンディーゼルも今後生き残っていくことが予想されますが、HV車に変わって主力の存在になれるポテンシャルはありません。
走行性能だけではなく、それなりの燃費や耐久性を求められている時代ともマッチしていないように感じます。

水素(燃料電池のFC)車

トヨタのMIRAIをはじめ一部の水素を燃料にした燃料電池車が市販化されています。
トラックやタクシーなどの商用車も水素エンジンを搭載した車が普及していて、環境性能の高さが特徴です。

しかし、水素は燃料タンクが高価になるため、車両価格が高くなってしまう問題点があります。
水素ロータリーの開発が停滞しているマツダの事例にもあるように、数年以内に大きく普及する可能性は非常に低いです。
また、構造や製造コストの問題からコンパクトカーとの相性が悪いため、個人向けの乗用車の主流になる可能性は低いでしょう。

次世代ガソリンエンジン

ガソリンエンジンの性能も日々高まっていて、ハイブリッド化ではなくガソリンエンジンに拘りを見せているメーカーの代表的な存在がマツダです。
2019年には次世代ガソリンエンジンのSKYACTIV-Xを搭載したMAZDA3(旧アクセラ)を投入しましたが、売れ行きは今ひとつです。

ガソリンエンジンでの性能の進化は、低価格化・高性能の期待を持たれていたのに対して、MAZDA3はHV車を上回る価格設定がネックになっています。
特に日本とアメリカでは「高すぎる」といった声を多く聞かれ、価格と性能、低燃費のバランスの良さでハイブリッドカーに劣ることを露呈した印象を受けます。

ハイブリッドカーは成熟した?

車の燃費をしめす運転席のインジケータ

2010年代前半にはハイブリッドカーや軽自動車で燃費戦争が勃発しましたが、ここ数年は燃費性能の向上が頭打ちしているように感じます。
2011年に発売して爆発的なヒットを遂げたトヨタのアクアは、2019年までHVシステムを一新するフルモデルチェンジをせずに販売を続けてきました。

2020年にはようやく新型HVシステムを搭載した新型を投入する見込みですが、市場予想ではカタログ燃費(JCO8モード)でリッター40km程度。
現行モデルのリッター38kmから大きな進化はありません。
トヨタは1.5Lエンジン搭載の新型ハイブリッドシステムをアクアではなく、ヤリス(ヴィッツの後継車)で最初に投入することを発表しています。

この記事を執筆した時点でメーカーから公式のスペック情報は出ていませんが、市場予想通りにリッター40km前後になる可能性が高いです。
現行のヴィッツHVのカタログ燃費はリッター34.4kmで、メーカーからは「次世代HVシステム搭載で燃費約20%アップ」とアピールしています。

燃費性能の進化を見る限り、既存のアクアから大きな進化が無かったことを理由に、プレミアムコンパクトカーとして生まれ変わったヤリスを先に投入したのでしょう。
ハイブリッドカーを牽引するトヨタの開発ピッチや性能の進化が遅れていることを考えると、ハイブリッドカーは既に成熟している可能性が高いです。

ヤリスや新型アクアを見ても、ハイブリッドシステムが大幅進化したよりも、最適化させた新型エンジンとの組み合わせで燃費性能が若干アップした印象を受けます。
おそらく2020年に投入される新型HVシステムは、この先も長く第一線で活躍することになるでしょう。

原油は増え続けている?

ガソリンの原料になる原油は限られた資源で、いずれは地球からなくなると言われています。
EV車の開発が活発になった理由も、いずれはガソリンの減少・高騰が予想されていたことが関係しています。

理論上はいずれ原油が底をつくことは確かですが、2019年11月にはイランで2番目の規模の油田が新たに見つかるなど、新しい油田が続々と発見されています。
少なくてもこの先20年で原油が底をつく、もしくは世界的な原油不足で高騰することはないでしょう。(中東などの地政学的リスクで高騰する可能性はあります)

おわりに

自動車の購入書類とミニチュア

今回の記事の内容はハイブリッドカーを推奨する内容になっています。
他のパワートレインを否定するワケではありませんが、ここ数年の動向を見る限り、ハイブリッドカーが主役に君臨し続ける可能性が高まり、現時点で無難な選択肢であることは確かです。

時間の経過とともに車の性能は進化しますが、当サイトの見解では2020年に最新モデルのハイブリッドカーを買えば、数年以内に「買い時を間違えた」と後悔する可能性は低いでしょう。
もちろん、クリーンディーゼルやe-Power、次世代ガソリンエンジンもおすすめではありますが、価格と性能のバランスを考えればハイブリッドカーの方が無難です。
懸念されていたリチウムイオンバッテリーの耐久性や消耗も思ったよりも信頼性が高く、古いHV車でも中古市場では高値で取引されています。
将来売る時の査定評価を考えてもハイブリッドカーはおすすめです。性能が成熟していることを考えれば、今が絶好の買い時ではないでしょうか?