業者間の横流しとは?

私が中古車買取店で勤務していた時は、コンスタントに毎月50台前後の成約台数を確保していました。
「なんでこんなにたくさん買取できるの?」とよく聞かれます。

商談時の交渉力や、車やお客を見極める目など他のスタッフとの能力の差もありますが、企業に勤務する1人の従業員として個人成績がここまで伸びたのは同業からの横流しの恩恵が大きかったです。

横流しとは、仕事の依頼を自分が勤務している業者ではなく、知人など他の業者に紹介する行為です。
私は横流しで仕事を受ける側の立場でした。

横流しをする行為は、当然ルール違反で勤務先に見つかれば懲戒処分を受ける場合もあります。
それでも販売店の営業マンを中心に横流し行為をしている所は多数あります。

私の取引先のなかでは、店長が店舗ぐるみで横流しで仕事をくれたケースや営業10名いる大型店舗で、各営業マンがそれぞれ違う業者に独自に横流しを行っているケースもありました。
全体的に新車ディーラーは特に横流しをするケースが多いです。

横流し行為の流れ

ディーラーによる買取車横流し不正

新車ディーラーやチェーン店系の大型中古車販売店は下取査定が弱いです。
下取査定してみたけど、買取専門店の方が高いと言われた場合や金額の折り合いがつかず買取専門店に行くと言われた場合、自社の査定額が上がらない以上何も仕方がありません。

そんな時に「買取専門店に行くなら、このエリアで一番高い買取専門店を紹介する」と販売店の営業が案内すれば、大抵のお客は食いつきます。
また、電話やメールで金額相談をすませ「仲良くしている業者が○○万円で買い取れるみたいですが、いかがですか?」と話をまとめる場合もあります。
何もせずに、販売だけ話を進めるのであれば、自分の目が届いた買取業者を利用してもらった方が販売店の営業マンも都合が良いです。

横流しが行われる5つの理由

自社で買取や下取ができる業者のスタッフが、他社に仕事を渡す理由は次のものがあります。

自社より他社の方が高いから
買取のみ行っても成績にならない
販売の商談がスムーズになる
お小遣い稼ぎ
他社との付き合い(お互いに仕事を紹介しあう)

前述で紹介しているとおり、横流しが行われる理由はディーラーなどは下取り査定額が低く、買取専門店に対抗できないからです。
また、ディーラーの場合は、販売や下取りは成績になりますが、買取相談のみを受けても何も成績になりません。

それであれば、横流しをしてしまおうと考えるケースもいます。
商談中に下取り査定の折り合いが付かない場合は、通常は一度お客が帰って買取業者の査定を受けに行こうとします。

一度お客に帰られてしまうと、下取り車の売却が他社で決まっても、販売で必ず自社に戻ってきてくれるとは限りません。
その後戻ってきたとしても、成約まで時間がかかります。
そんな時に、買取専門店に連絡して価格を提示すれば販売の商談もその場でスムーズに進められるようになります。

また、横流しをする営業マンによっては、他社を利用させる事で中間マージンを取って小遣い稼ぎをしている場合もあります。
自分の勤務先の場合、お金の流れをごまかす事はできませんが、買取専門店の他社であれば、紹介料をもらったり、安い査定額を伝えて差額を営業マンのポケットに入れる事ができます。

たとえば、横流しの相談を受けて50万円の査定を提示したとします。
その後、横流しをする営業マンがお客に45万円と伝えて商談をまとめた場合、買取専門店はお客に45万円を渡して営業マンに5万円渡します。
横流しをして、お小遣い稼ぎをしている人は私の経験上6~7割ほどです。

私は買取専門店で勤務していて、基本的に販売は行えませんでした。
しかし、お客から次に購入する車の相談をされる事がよくあります。
この場合、よく横流しをしてくれる方を紹介させて頂いております。

仮にお客さんが5社を比較して私がいた業者が最高値を提示して成約したとします。
こうした時に次に買う車の話をして、「そのメーカーなら限界値引きしてくれるディーラー紹介しますよ」と伝えれば食いついてくる方が多いです。

複数社の中で一番高い優良業者の言う事なら間違いないと信用を得られるメリットがあります。
このように車業界は横のつながりが非常に大切で、お互いに強い分野で助け合いでお客をそれぞれ紹介する事はよくあります。

ここまでをまとめると、販売店の営業マンは横流しをする事で次の3つのメリットがあります。

・販売のための商談もスムーズになり、成約率も高くなる
・自分の取り分を取ってお小遣い稼ぎできる
・購入を検討しているお客を紹介してもらえる

横流し紹介は本当に高値買取か?

私は車買取専門店に勤務していて、横流しで仕事をもらう立場でした。
横流しの相談を受けた時は、限界価格の査定額を一発で提示します。
相手も車業界のプロなので、利益を乗せた金額を提示するとバレてしまいますし、信用によって案件をもらえているので全力で応えるのが筋です。

紹介のない新規客として来て頂いて査定を受けるよりかは、横流しの相談の方が高い査定額を提示しています。
あとは、営業マンがどれだけ自分の利益を乗せているかによって変わります。

普段はお小遣い稼ぎをしている営業マンでも、金額がギリギリなら自分の取り分がなくても販売のために話をまとめようとします。
まずは一度具体的な金額を聞いてみて、一度は「もっと高くならないの?」と確認してみるようにしましょう。

ただし、下取り査定や横流しによる査定の提示だけで決めず、それとは別に買取専門店の査定も取って比較検討する事が大切です。
相場を理解していないと、横流し行為で数万円~数十万円単位のお金が営業マンのポケットに向かってしまう可能性があります。